モグサはヨモギから作られます。どのように作られるのでしょうか?

製法を株式会社 小林老舗さんからご提供いただきました。感謝します。

それでは、モグサはどのように作られるのか覗いてみましょう。

 

①よもぎ葉乾燥

蓬草からモグサを造る工程は、5~7月頃蓬草が余り大きくならない前に採取し、天気の良い日に天日干しする。その後冬期まで暗室保存するが、製造期間は上質の品種ほど寒気厳しい寒中に炭火やマメタン等で、製造一日分の約50貫の原料を炉室で一昼夜、再度乾燥する。

 

②葉砕加工

十分に乾燥したよもぎ葉を石臼に入り込みやすい状態にするため、砕断機で、よもぎ葉を均等な長さにカットする。

 

③石臼荒引き加工

一番石臼(荒引き用石臼)の上臼が回転時に葉砕よもぎを石臼穴部に押し込みよもぎ葉をすりつぶす。その後、ふるい(篩)機で選別すると荒い温灸製品(下級モグサ)程度となる。

 

④石臼細引き加工

上級のモグサを製造する場合は、二番~三番臼(臼目と回転数の違い)で更に細かくすりつぶす。臼目や回転数は長年の経験を元に調整する。

 

⑤ふるい(篩)加工

回転ふるい機(長どおし)でモグサと異物を選別する。 等級により繰り返し加工する場合がある。

 

⑥唐箕[とうみ]加工

一番~二番唐箕機(羽回転数や目の違い)で不純物を徹底的に除去し、高級もぐさに仕上げる。等級は回転速度や時間により変化する。高級品は原料のよもぎから2%~3%くらいしか採れないと言われている。

 

※小林老舗さんでは、新潟県のモグサ工場で作られたモグサを、滋賀県の蔵・倉庫で保管し、 天然物のため毎年わずかに違う品質のモグサを年度毎にブレンドし、 ⑥の唐箕をかけることで、最終の調整をして、品質を安定させたモグサを届けてくださります。

 

もぐさの成分とお灸の条件

良いモグサを造るには蓬草の裏面の柔毛(毛茸と腺毛の2種)の量や品質が非常に重要になります。この柔毛の内の特に腺毛には有効成分である揮発性の油(チネオール=駆虫剤・タンニン酸=下熱剤・テルペン=香料)が国産の蓬には約2割も含むと云われておりますこの腺毛の割合が多いほど火だちが良く(火が付き易く、一瞬に燃えつきる)熱さを温度の割に感じない極上品のモグサになります。一方毛茸はモグサに柔らかさと粘りができ、延びが良く施灸能率が良くなります。

 

更に良いお灸の条件には灰分の少ない(国産高級モグサは3~4%)、モグサの含有水分が適度(国産高級モグサは11%以内)なことや、蓬の薬系成分の効果として、肌の消毒効果や、燃える時の煙が邪気を払うと云われる殺菌・鎮静効果など原料蓬の品質がお灸材の条件に大きな差となって表れます。 国産の高級モグサは先ず原料が良く製造技術や気候が良いので、火が付き易く、熱さを感じなく、浸透性が良い上に、良い香りと優雅な煙で、爽快感や精神までが安定して来ます。 この高級モグサを使った点灸が、一番モグサの良さを実感出来ると私達は考えております。