5月16日(2017年)にNHKでクローズアップ現代の「生命の不思議“テロメア” 健康寿命はのばせる!」という番組を観ました。
テロメアとは細胞の染色体の端にあって細胞分裂に関わり、細胞分裂を繰り返すうちに消耗し、やがては細胞分裂ができなくなってしまうことから命の回数券とも言われています。
生まれた時は、およそ1万5,000ほどとされますが、35歳でおよそ半分に減少。
6,000を下回ると染色体が不安定になり、さらに2,000になると細胞がこれ以上分裂できなくなる「細胞老化」と呼ばれる状態に陥ります。
細胞の老化を早めるのは、やはり
番組で、アラフィフの男女を10人のテロメアを白血球で調べたところ35歳相当の長い人から83歳相当の短い人まで、同じ年齢層でもかなりの違いがみられました。確かに同じ年齢でも若々しい人もいれば、老け込んでいる人もいます。テロメアの減少するスピードに個人差があるということです。
では何故、こんなにも個人差があるのでしょうか?アメリカの最新の研究によって、心理的なストレスによりテロメアの減り方を早めていることが解明されました。
長年にわたる家族の介護している人はテロメアが短くなっいたそうです。
他にも、悪いことを予測してしまうタイプ、つまり、悲観的な人は、ストレスに反応しやすく、健康に悪影響があります。10代の若者や健康な人でも、悲観的であるほど、テロメアが短いことがわかったのです。
テロメアが減少し短くなると、ガンや認知症のリスクが高まる可能性があります。
番組ではゲストに石川 冬木氏(京都大学大学院教授)が登場されてこのように述べられました。
「テロメアが短くなりますと、細胞はやらなければいけない仕事をさぼってしまいます。
ですから、例えば皮膚の細胞はコラーゲンを分泌して、皮膚に張りを作るわけですけれども、テロメアが短くなってしまいますとそれをしません。
ですから、だんだんとお年を取ると、皮膚がたるんで、しわが出来たりするわけです。」
減少したテロメアは回復できる?
しかし、このテロメアはかつては一度減ったものは戻らないと考えられたのですが、増やせることが可能であることが分かりました。そのテロメアを伸ばす習慣があるというのです。
それは、瞑想だそうです。
番組ではヨガの瞑想のようですが、40代以上の女性たちに、毎日12分、2か月にわたって続けてもらい平均で43%も増加したそうです(おそらくは座禅でも同様の効果があるのでは?と個人的には思う)。
ガン患者には瞑想の他、有酸素運動や野菜中心の食事、カウンセリングのプログラムを5年間実施しテロメアが平均で10%も伸び、ガンの進行も遅らせることができました。
カリフォルニア大学 ロサンゼルス校 ヘレン・ラブレツキー教授はインタビューでこう述べました。
「まったく未知のことで、とても意外でした。ストレスを受けると交感神経が働き、体の緊張が高まります。逆に(リラックスさせる)副交感神経の働きは低下します。瞑想によって、2つの神経のバランスがよくなり、テロメアにも、よい影響があると考えられます。」
鍼灸とテロメア
つまり、自律神経が整うとテロメアに好影響が出現するということです。自律神経を整えることを得意とする、ひょうたん堂の「時の鍼」はテロメアを伸ばせることになります。
実際、ひょうたん堂に何年間も週一回ずついらしてくださる90歳代の方がお二人ほどおられます。お二人とも90歳代にしては足取りもよろしく、会話もしっかりとされておられます。介護のお世話には全くなっていないようです。
90歳以上長生きされる人は今や珍しくありませんが、介護のお世話になっている人が多いのも事実です。多くの人は長生きしても健康寿命がそこまで追い付かないのです。
このお二方には運動や瞑想の習慣などは全くありません。人間関係ではストレスに晒されることも多いそうですが、二人とも、これほど健康寿命が良いのは何故なのでしょうか?
クローズアップ現代を観て確信しました。やはり、週一回のペースでひょうたん堂にいらしているからです。
ひょうたん堂、時の鍼は自律神経を整えてアンチエージング=減少したテロメアを取り戻す貢献しているのだと、鍼灸師をやっていて良かったという思いに番組を観て浸りました。
自分でできるテロメア回復法
最後にノーベル賞を受賞したブラックバーン博士が挙げているテロメアを伸ばすという方法を記入します。自分自身でできることなので実践しましょう。
- 有酸素運動:筋トレよりもジョギングなど、軽めの有酸素運動を週3回程度続ける方が有効的です。
- 食事:野菜に加えて、魚や海藻などもいいとされています。和食もお勧めです。
- 睡眠:7時間以上の睡眠。
- 人とのつながり:友人やパートナーとの良好な関係を保つこと。